秋田蕗ずり

秋田市在住の長谷川弘子さんが、手縫いのネクタイや、着物の端切れで小物作りをしてきた技を生かして、秋田を代表する植物「蕗」を使ったものづくりを始めたのは、平成4年のことと伺いました。
自宅庭で育てた「秋田蕗」を刈り取り、押し葉にして保管。できるだけ本物に近い色で再現しようと選んだ顔料を押し葉の蕗に塗り、ばれんで布に押して染めていく蕗ずりの手法は、長谷川さんが独自に生み出したものです。
繊細な葉脈のひとすじひとすじまで映し出された蕗の葉が染め上げられた作品は、シンプルな美しさで人々の心を惹きつけます。

愛犬のロックちゃんと。1年中着物姿の長谷川さん、絞りの浴衣がお似合いです。

大きな蕗の葉。笑顔の長谷川さん。


ハンカチ、名刺入れ、テーブルセンター、コースター、布巾など日常使いしやすいものに仕立てている作品には、長谷川さんの使う人への思いやりがあふれています。蕗ずりがほどこされた布は、長谷川さんの手で用途に応じてミシン掛けや手縫いをされていくのですが、仕上がった作品を手に取ると丁寧な縫い目や優しい手触りに心が温かくなります。

蕗の額絵。蕗の美しさが良く引き出されていますね。
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