中川原信一作あけびのかご

東北地方では、昔から農作業の合間にあけびの他、ぶどう、葛、くるみなど山で採れる植物を編んで生活に使うかご作りがさかんでした。編んだかごは、農作業の中で使われるほか、買い物かごとしても使われてきました。しかし、プラスチック製品のかごが普及してきた頃から、少しずつ山で採れる植物から作られるかごは需要が減り、作り手も減ってきました。

そのような中で、秋田県横手市金沢に住む中川原信一さんは、幼少のころから父十郎さんのあけびのかご作りを手伝いながら、かご作りの技術を身に付け、今に至るまで素晴らしいあけび細工のかごを作り続けている貴重な方です。その高い技術により、2003年全国網み組み工芸展大賞受賞など民芸関係の数々の賞を受賞されています。

セレクトショップ 秋田 蕗だよりでは、中川原信一さんのあけび細工を是非ともお取り扱いしたいと思い、中川原さんにお会いし、お取り扱いのお願いをしてまいりました。またあけび細工が作られる過程についても、伺ってきました。山からあけびのつるを取ってくるところから、かごに仕上げるまで全て中川原さんが手がけて作った作品。その行程は、かごとして編み上げるまで1年もかかるそうです。かっちりと綺麗に編まれたすかし編(よせ編み、こだし編みとも言われるそうです)のかごは、50年60年と使い続けられるほど丈夫です。
中川原さんの珠玉の作品をご覧ください。

あけびのかご作家 中川原信一さんです。優しい笑顔で、ひとつひとつの作品に心を込めて作っていらっしゃるようすが伺えます。


細かいところまで神経を行き届かせて作る職人の技。


あけびかご作りのための大事な道具。長年使っている物だそうです。


秋田産のあけびのつるを使って作られたかごは、今では貴重品になっています。中川原信一さんのあけびのかごは、人気商品のため数多く仕入れられませんが、同じ秋田に住んでいるため、機会を見つけて少しずつ仕入れをお願いしている次第です。
あけびのつるは、天然のものを使っているため、色が黒っぽいものが混じっていることもあります。カビではありませんので、ご安心ください。ご使用になる際は、できるだけ風通しの良い場所で保管下さい。
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